迷い子
-2-

最近は梅雨でもないのに毎日雨が降り続いている。


重苦しい灰色の曇が空を覆い、空の青さなど全く見えなかった。


「いつまで雨続くのかなぁ…」


真由がつまらなそうに椅子に座りながら足をぶらぶらと揺らしている。


私は窓に寄り、外を見た。


雨のせいで普段よりも歩く人は少ない。


右から左へ視線を動かして行くと、一人の男の人が目についた。

通り過ぎてしまった視線を男の人へ戻す。


「あれ?」


確かにそこにいたはずなのに…男の人は視線を戻す一瞬の間に消えていた。


「見間違いかな…」
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