迷い子
日も暮れ始め、空がオレンジ色からだんだんと闇の色へと変わっていく。
「これだけ探してもいねぇなんて…」
私たちはもうヘトヘトだった。
「今日は朝から走りっぱなしだ…真由や銀たちはまた明日探そう…。一旦家に帰るぞ。」
そう言うと、海子姉はゆっくりと歩き出した。
家に着いても私たちの間に会話はあまりなかった。
妹のように可愛がっていた真由がいなくなったのだ。
いつもなら少し高めの声ではしゃいでいるのに…。
誰か一人でも欠けてしまうと、私たちは私たちでなくなってしまうような感じさえした。