迷い子

「お待たせ」


にっこりと笑うスレイドとは反対に、私たち3人にはピリピリとした空気がまとわり付いていた。


「あれ?なんだかみんな怒ってる?」


「当たり前だろ!」


今にも飛び掛りそうな海子姉を恭平と私で両側から抑える。


歯に力を入れている海子姉の口からは、今にもギリギリと音が聞こえてきそうだった。


「ねぇ、ハーフブリードって、何なの?」


私は落ち着いてきた海子姉の腕を離しながら聞いた。
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