迷い子
「それは、思い出したくないことがあるからだよ。」
思い出したくないこと…
「思い出したくないことを心の奥に閉じ込め、なかったことにする。自分が生きていた時に何があったのか…
自分が自殺した原因はなんなのか…知りたければ教えてあげる。」
そう言うと、スレイドはニヤリと微笑んだ。
レイはさっきから私たちの様子を見ているだけだ。
「あたしは…知りたい。」
海子姉の目は何か決意したような目に変わっていた。