迷い子
-5-
その目を見つめたスレイドは、わかったよ。と言うと、内ポケットから電子手帳のような物を取り出した。
それを見ながら読み上げる。
「神田海子。恋人からの暴力により首吊り自殺。腹の中には子供がいたようだね。」
私は心配で海子姉の事をずっと見ていた。
海子姉は、震えていた。
ガタガタと、異常なぐらいだ。
「海子姉、大丈夫…?」
反対側に座っている恭平も、普通じゃない海子姉の震え方に、心配しているようだった。