絶対、逃がさない!(短編)
1
坂道を勢いよく走り降りる自転車。
風になびいてる柔らかそうな、長い髪。
華奢な後姿はすぐに見えなくなった。
呆然と、見送るおれ。
公園の入口、立ち尽くすおれの目の前をはらはらと桜の花びらが舞った。
いつも、いつも、にげるんだ、陽菜は!
「くそ! ぜったい、つかまえてやる!」
宣言して、駆け出すおれの名前は、海老原光。
そして、卑怯にも自転車なんかに乗って逃げていったのは、福田陽菜。
おれはいつも、陽菜を追いかけて、そして陽菜はいつも、おれから逃げるんだ。
やっと・・・同じ場所に立てたと思ったのに・・・。
風になびいてる柔らかそうな、長い髪。
華奢な後姿はすぐに見えなくなった。
呆然と、見送るおれ。
公園の入口、立ち尽くすおれの目の前をはらはらと桜の花びらが舞った。
いつも、いつも、にげるんだ、陽菜は!
「くそ! ぜったい、つかまえてやる!」
宣言して、駆け出すおれの名前は、海老原光。
そして、卑怯にも自転車なんかに乗って逃げていったのは、福田陽菜。
おれはいつも、陽菜を追いかけて、そして陽菜はいつも、おれから逃げるんだ。
やっと・・・同じ場所に立てたと思ったのに・・・。