絶対、逃がさない!(短編)
めらめらと、おれの中で、執念の炎が燃え上がった。
再会はすぐだった。
公園へと続く坂道を登っていたら、前方に見慣れない制服がみえた。
長い髪がふわふわと、春の風に揺れていた。
シスターが着るみたいな、古風ないかにも女子校の制服をきた女の子。
陽菜だ、まちがいない。
気配に気がついたのか、その女の子が振り向いた。
目を開いて、唇がうごいた。
「ひ、光くん?」
声は聞こえなかったけれど、そういったのは間違いない。
女の子ーーー、陽菜は、駆け出した。
逃げられると、追いかけたくなる。