絶対、逃がさない!(短編)
 時折、見かける陽菜は、遠くから見るだけだけど、とても可愛く・・・それに、どんどん綺麗になっていって・・・、だんだんと、おれの中にある感情が芽生えてきていた。

 でも、過去を振り返ると、もう、そばに行くことすらできなかった。

 おれは、ものすごく嫌われていると、自覚だけはあったから。

 また、怖がられるし、泣かせてしまう。



 だから・・・もう、追いかけることは出来ない。 



 そう、思っていた。



 陽菜の通う女子高が共学になると聞いたときは、驚いた。

 100年以上の歴史をもつ伝統校も、時代の流れと少子化の影響は避けられなかったようだ。

 ・・・とにかく、決まりだった。
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