絶対、逃がさない!(短編)

 言葉にするよりもさきに・・・



 身体が動いてしまった。



 そっと、ふれた唇は柔らかくて、あたたかかった。



 このままだと、抱きしめて・・・それから・・・と、歯止めが聞かなくなりそうな自分を感じた。

 だから、呆然としている陽菜を、置いて、逃げてしまったけど・・・



 ちゃんと、言葉にしておけばよかったと、今、後悔している。



 また、逃げられた・・・。


 








 
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