絶対、逃がさない!(短編)
案の定、陽菜は焦り過ぎたからか、久しぶりの自転車だったからか、見事に坂の下、転んでた。
倒れた自転車の横に、泣きそうな顔して座り込んでる。
「なにしてるわけ?」
ちょっとあきれながらつぶやいて、陽菜の自転車を起こしてやった。
「坂道、す、スピードでちゃって怖くて、キュってブレーキかけたら、転んじゃったの」
恥ずかしそうに、陽菜はうつむいた。
見た限り、すこしすりむいたくらいで、血が出るほどの怪我はしていないようで、おれはほっとした。
すわりこんだ陽菜に、手を差し出す。
陽菜はおれを見上げた。
すこし、顔が赤い。目が潤んでいる。
「あ、ありがとう。で、でも、へんなことしない?」
「・・・」
違う意味で、いじめたいかも・・・おれは真剣にそう思った。
あんまり、陽菜がかわいいから。
倒れた自転車の横に、泣きそうな顔して座り込んでる。
「なにしてるわけ?」
ちょっとあきれながらつぶやいて、陽菜の自転車を起こしてやった。
「坂道、す、スピードでちゃって怖くて、キュってブレーキかけたら、転んじゃったの」
恥ずかしそうに、陽菜はうつむいた。
見た限り、すこしすりむいたくらいで、血が出るほどの怪我はしていないようで、おれはほっとした。
すわりこんだ陽菜に、手を差し出す。
陽菜はおれを見上げた。
すこし、顔が赤い。目が潤んでいる。
「あ、ありがとう。で、でも、へんなことしない?」
「・・・」
違う意味で、いじめたいかも・・・おれは真剣にそう思った。
あんまり、陽菜がかわいいから。