狼たちと一人のお姫様



―――あぁ、あたし殴られる…。



もう、逃げる時間も、余裕も、ない。



どうしよう。

って、もうどうしようもできないけど…。



誰も、助けてくれるはずない…けど、


助けて―――…っ

と願う自分がいた。


振り上げられていた拳が、少しずつ動きだして…。



…っ!!


人間の自然な防衛反応で、目を硬く瞑り、手で身を守った。



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