禁断の愛~恋人は担任!?~
理由は、2人揃って同じものを作って同じものを渡していたからだ。
「びっくりした~!大斗もブレスレット作ってたんだね?でも、嬉しいよ?ありがとう。」
「あぁ。一番見に着けてられる物で痛くないものって何かな?って考えたらブレスレットしか思いつかなかったからさ。」
「そうなんだ。私もね、同じこと考えてたの。」
「そっか。ありがとう。今から、毎日付けるから。って言っても、お風呂の時は外すけどな。濡れると困るから。」
「うん。私もそうするね。けどね、体育のときは外して良い?」
「うん。体育の滝本先生、うるさいもんな(苦笑)。」
「うん。」
「沙奈、奇跡ってあると思う?」
「いきなり、どうしたの?」
「いや・・・。何となく。」
「そっか。あると思うよ。だって、こうして大斗と付き合うことが出来るのも奇跡でしょ?」
「確かにな。俺さ、今まで全く奇跡を信じてこなかったんだ。」
大斗は、私を優しく抱きしめてきた。
「どうして?」
「昔な、小さい頃からずっと慕っていたおじさんに裏切られたんだ。」
「うん。どうして、裏切られたの?」
「おじさん、ガンを患っていたんだ。俺にだけ、隠してた。俺がずっと慕ってるから言えなかったって葬式の時に言われてさ。俺、どうして良いのか分からなくなっちゃって・・・。」
「そっか。けどさ、おじさんは大斗を思って最期の瞬間まで伝えなかったんじゃない?」
「ん?」
「幼い、大斗に伝えたら大斗は戸惑ったでしょ?」
「確かにな。」
「それを恐れてきっとおじさんは伝えなかったんだと思うよ。」
「そっか。そう捕らえれば少しは楽なのかな?」
「うん。きっと。」
私は、泣きそうな大斗の腕を引っ張り自分の膝を叩いた。
「ん?」
「そんな、泣きそうな顔してる大斗見たくない。膝、貸してあげるから泣きな?」
「いいのか?」
「うん。だから、おいで?」
そう言った瞬間、大斗は私の手を握ったまんま、膝で泣き出した。
その時初めて、大斗の辛さをどうにか楽にしてあげたいと思った。
しばらく泣いていた大斗は私の手を握ったまんま膝でスヤスヤと寝始めた。
そんな、大斗を見ていたら不思議と母性本能が起きだした。