狼のト・リ・コ
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それは、昨日の事。

私にメチャクチャ甘いお父さん達に呼び出された。

お父さんは何故か拗ね気味だ。



『お父さん』

『あら、玲、早かったのね~』



お父さんとは対照的に、ニコニコと出迎えてくれたのは私の母。

お母さんは、基本的にいつもこんな感じだ。

ほわっとした感じで、よくクールと言われる私とは正反対だと思う。



『どうかしたの?わざわざ呼び出すなんて』

『ふふっ。ほら、あなた言って?』

『うぅ・・・あのな、玲』

『何?』

『ホントは、お父さんだってイヤなんだけどな?』



・・・何。

回りくどいのはキライだ。

どうせは言うんだから、前置きとかナシでパッパと言って欲しい。



『その・・・玲にこ、こここここっ』

『あら、やだ~。どもり過ぎよ?』

『こ、こんやっ、こんこん』



バカか。

なんか、話が見えてきたんだけど。



『私に婚約者ができたって言いたいの?』

『な、何で分かった!?』



お父さん、驚きすぎだし。



『別に。なんとなく?まぁ、どうせはこうなると思ってたし』

『ごめんな、ホント・・・』
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