狼のト・リ・コ

パーティーの秘密

・・・



「は?」

「ゆ、悠斗様っ、冗談ですよね?」



それ、私のセリフなんですけど。

チラリとその人物を見ると、顔が引き攣っていた。

や、その顔したいの私だけどね。



「冗談じゃないけど?・・・誰だっけ?」

「悠斗様のファンクラブ会長、白鳥 瑠宇ですわ。いつになったら覚えていただけれるんですかー?」



うわぁ。

苦手なタイプ。

白鳥といえば、宝石商で有名な財閥だろう。

この学園って、何気に金持ち校だからな。

ユリも財閥嬢だし。



「覚える必要、ある?」

「っ!」



王子ってあだ名、変えたほうがいいんじゃない?

冷血王子の方が合ってると思うけど。



「ってことだから、放課後迎えに来る」

「・・・それ私に言ってる?」

「お前以外に誰がいんだよ」

「ってことだからって、全く話繋がってないんだけど」

「今日は婚約パーティーだろ?まさか聞いてねぇの?」



なんでコイツはいちいち上から目線なわけ?

ムカつく。



「聞いてないけど」

「えっ、玲マジで聞いてないの?水川邸でやるってパパ言ってたよ?」



ユリが驚いたように言う。

・・・。

聞いてない。

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