あたしがメイドよ喜びなさい

口をあんぐり開けて呆れた顔をしている奴を置いて、あたしと晴は左隣の家、花城家に向かった。

ピンポーン……
ガチャ

「礼央おにぃちゃん！？来てくれたの？」

出てきたのは中学生くらいの女の子。
お嬢様っぽくカチューシャでまとめたロングヘアを揺らし、奴の名前を呼ぶ。

「あっ……」

恥ずかしそうな顔。
隣の晴が頭を下げる。

「初めまして。私、今日からお隣の浜田家に配属されたメイド、鳴宮晴と申します」

「みな……私は花城美菜といいます。中学３年生になります。よろしくお願いします」

あ、なによ。
あたし抜きでニコニコペコペコ。
晴はもう、帰ろうとしている。

「へぇ、美菜ちゃん、中学生なの？可愛いわね……あたしは柏木神奈よ。超有名時計メーカー会長の孫娘。大人気ティーン雑誌Mintのモデル。ほら、見たことある」

「あなた、メイドなんでしょ??」