あたしがメイドよ喜びなさい
竹林さん宅は浜田家の右隣。
ロクな人が住んでいるとは思えない。

ピンポーン

ガチャ

「こんにちは、はじめまして。私浜田家の新しいメイド、鳴宮晴です」

この猫被りメイドめ。
晴はキャローンという効果音とともに可愛らしくご挨拶。

中から出てきたのは、髭をたくわえたお父さんくらいの中年男性だった。
男がしばらく固まる。

「竹林さん??」
「……じげんだ」
「?」
「キターーーーーーー!」

突然男が発狂。
これには晴も、黒い顔が丸見え……。
そしてすぐに、呼吸が荒くなる。

「っはぁ、はぁ……晴ちゃん、と言ったね?可愛い、可愛いね……晴たんって呼んでもいいかな?」
「はぁ、かまいませんが」

かまわないんだ……。

「そっちの貧乳メイドちゃんは??」
「ひ、ひんにゅう……柏木神奈です。神奈たんって呼ばれるのはお断りです」

ニタァっとおじさんが笑う。
き、気持ち悪い……。
寒気がしてきた。
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