【短編】嘘つきなキミに、キス。
馬鹿だな。
さっさと否定すりゃ良かったんだよ。
俺みたいなヤツが、この学校に何人もいるとでも思ってんのか?
だとしたらとんだ馬鹿だぞ、お前。
「…要の馬鹿」
「お前もな」
「……ヒドイ。あたし、ずっと要のこと…」
だから、さ。
そんな馬鹿なヤツには、守ってやるヤツが必要だろ?
「―――――“華”(ハナ)」
そんな面倒くせぇことは、馬鹿がやるって決まってんだよ。
仕方ねぇから、引き受けてやる。
「かな、め…」
「あ?」
「い、ま名前…」
ハッ。
馬鹿みてぇ。