prayGirl
浅倉は相変わらず話かけてくる。
授業が好きなわけじゃない。
でも空気を読まない奴は苦手だ。
面倒くさいのも苦手だぞ。
まだわからないのか。
さっきから化学の村上がこっちを睨んでいるのがわからないのか。
「いい加減にしなさい?鈴木くん」
化学はどちらかというと好きだが村上は嫌いだ。
この女教師は何かと面倒くさい。
「聞いていなかったでしょ」
作り物のような甘い声が気持ち悪くて仕方なかった。
若作りも失敗だと思う。
それにしても、これでは沖野と同類ではないか。
あいつがもし教室にいたならきっとほくそ笑んだだろう。
しかし何故俺なのだろう。
喋っていたのは浅倉なのに。
「あとで理科室に来なさい」
ほら、やっぱり面倒なことになった。