少女が望む宝
右
「ラリー大丈夫かな~」
「心配性だなリースは。
とくにラリーには、か?」
「さあー分かんない
でもラリーって傷を負ってるから
学校でもね、みんなにイジメられてる」
「……へえーそんなことあったんだ」
「……うん。
ラリーはね、よく泣いてる」
「そっか……
……………リースは?」
「へっ?」
「泣いてないか?」
「……泣いてたら勿体ないって解った」
「そうかー!」
ベンはリースの頭をポンと撫でて笑った
意味ありげな会話を交えて
ベンは心の引っ掛かりを
取り除けてはいなかった