少女が望む宝
2人の顔は青ざめた。
「はっはやく掴んで!!!!!
ほらっ!ラリー!!!!」
リースは地面に顔をつけて
目一杯腕を伸ばした。
「…クッ…」
苦しい声を漏らして
震えながら右手を上げるラリー
リースの手とラリーの手が
触れあう瞬間、
「ぃやっ…!!」
リースは手を引っ込めた。
ラリーがっ!!
と思った時には
ベンがラリーの腕をとり
引き上げていた。
「大丈夫かっ……!?」
「うっ…」
ラリーは崖から離れて
涙目になっていた
ベンはラリーの頭をぽんっと撫でて
リースの元にかけよった
当のリースは
地面に座り込んで両腕を両手で押さえて
泣いていた。
いつも笑顔の…あのリースが。
体をガチガチ震わせて
ずっと泣いていた。