少女が望む宝


『リースって勇気あるよね』

『ちょっとオカシイよ彼女』


「…ほらリース、聞こえる?
あいつらの声が…噂してる。
…くだらない…」


「……聞こえるよ。
だって皆は聞こえる様に喋ってるもん」


「そこまで分かるなら
大人しく生きなよ。
僕は嫌われてる
リースも嫌われる。」


「いっ!やっ!」


歯をニーっと出して
笑顔で答えた。


「私の名前、この名前は
いろんな意味が込められてるの。
小さい時に偉大な人に与えられた。」


「…それがなに!?」


少し荒ぶった声になるラリー
涙目でリースを睨む


「それは良かったねリース!
何が言いたい?
自慢話をしたいのか?」


「…違うよ。その意味の中にはね
優しい人になれって意味があるの。
だから私はこの名前を誇りに思ってる」


「………それだけ?」


眉を寄せて
少し呆れた感情をあらわにする


「そうよ!それだけ!
誇りに思ってる名前を
汚したくない。
それに、ラリーは悪い事してないのに」


「皆に聞こえちゃうよリースっ…!」


「…え?べっつにー
聞こえて良いもん!」


クラスの皆の方を向いて
リースは笑顔で言った


「皆さー、ラリーいじめて楽しい?
楽しいなんて思う人
遅かれ早かれ地獄みるよ☆」



クラス一同唖然。



満面の笑みで答えたリースから
底知れぬ恐怖が感じられた一同。





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