少女が望む宝
「…あのさ…俺ちょっと向こう見てくる」
長い長い沈黙を破ったのはベンだ。
去る前にリースに大丈夫か?
と尋ねて、小走りに森の中に消えた。
取り残されたリースとラリー
まだ黙り込み、海を見てるのか
何を見てるのか分からない視線を
空に向けるリース。
ラリーは心配そうに
リースを見つめるが、何をどうしたら
良いのか分からず黙ったままだ。
ラリーも色々考えた…
取り合えず今分かる事は
ベンは2人が話しやすいように
席を外してくれたこと。
…んー…
悩み悩んだ末、ラリーは動いた。
遠くに座るリースに近づいた
ソレに気づいたリースは
ある程度の距離になると反射的に
体がびくついた。
…限界はここか。
そして一歩だけ下がり
ちまっと座り込んだラリー。
「…………?」
不思議そうにラリーを見ると
ラリーは真剣な瞳でこちらを見た。
「……リースにも、何かあるの?」
`何か'
それは沢山の選択肢があるが
ラリーが思いつくのは
リースの過去に何かあったか…と言う事