少女が望む宝



「……別に…まあ
今更何もなかったなんて言えないけど
でも…ラリーが聞いて良い気持ちに
なる訳じゃないし…さ」


それだけ言って、また海を見た


「……そうか…」


「聞きたかった?」


「リースが話したくないなら聞かないよ」


「じゃあそうする」


ポツポツと雨が降った後の
葉から零れる雫みたいに


「うん。分かった」


静かに会話する2人。



ラリーの本心は
聞きたいに決まってるが




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