少女が望む宝



「俺はもう行くよ。」


スクッと立ち上がり右手を軽く振って
繁みに消えていった王子


近くで馬車の音がした。


「あの車輪の跡は
王子が来た印だったんだな」


黙る2人を他所に1人納得するベン


リースは墓に目をやった


…ここに眠る女性が…


地面に咲く小さな花に
ごめんね。と呟き
墓に添えた


「ありがとう」



夕日に染められた海はとても綺麗だった




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