少女が望む宝
「…名前も…家も捨てて
馬鹿だと思うよ…
家があるのに逃げたんだもん…
だから、言わなかったの
院の皆にも誰にも…」
吐き出したかった事を
全て出しきったからか…
大声で泣くリース
何度もごめんなさい。と言いながら
ラリーの疑問は当に晴れていた
…彼女自身から人に触れる事が
出来たとしても
他人から触れられるのは
恐ろしく
崖で僕に手を差しのべた時は
僕が死に際だったから
もしかしたらお兄さんを
思いだしたのかも…