少女が望む宝
「マリアー……大丈夫?」
小さな声と共に
部屋の扉を開ける
「…ん…ぁ、リース!
おかえりなさい。
あたし寝てた?」
リースはベッドの横の椅子に座る
「よいしょ。
ただいま!
まだ寝てても大丈夫だよ
サラが来てくれてるから」
「はー…良かった
サラ、来てくれてたの…
ふふダメね皆に迷惑かけてる…
老いには敵わない」
「心配しないでマリア、
マリアが動けない時は
サラが来てくれるように
マリアの優しさは受け継がれてるのよ
老いなんてカンケーない」
「優しい子ね…リースは」
「ソレが私の生きていくための
目標だからね」
「素敵な目標ね。
…あ、そう言えばもう夏休みじゃない」
「ん~そうなの!
何か面白そうなことしたい」
「…そう…じゃあ
リースにコレを聞かせようかな」
「なあに?お話?」
「そうよ。そこの引き出しから
羊皮紙を出して」
言われるがままに
リースは木製の引き出しから
丸まった羊皮紙を出した。
蒼い紐で結んであり
紙はボロボロ
…これがなに?