少女が望む宝
「ラリー!」
「なっなんだよ…
先に行けよ…」
「別に良いじゃん
一緒に歩こうよ…」
「リースさあ
僕、君に告白したんだよ?」
「わかってるよ。
ベンと同じこと言わないで。
…今日は一緒に来てくれてありがとう」
「いや…そんな」
「私が想像した宝物とは
だいぶ違ったけど
本当は心の中であんな宝物を
望んでいたのかもしれない」
「……うん」
「マリアは知ってたのね
あそこに行けば
心が開かれるって…」
「うん」
「私ね、勉強頑張って
いつか母に言うの。
私は自立しますって」
「うん、頑張れ」
「うん!」
リースの元気な返事と共に
ラリーの手は捕まった