少女が望む宝



「は…はあ?ってラリーあなた…
何よその返事」


「えっだって、宝物って
あると思ってるの?」


「信じてるわ」


「…即答なんだね…
でも裏切られることのが
この世界には多いよ」


「ラリーって変ね。」


「…なっ!!」


「だってまだ数十年しか生きていないのに
どうして世界の道理が分かるの?
まさか力でもあるの?」


「…だって…僕は…」


「…?…」


「…この数十年の間に
世界の道理を味あわされてきたんだ!」


「…ふーん、そうなんだ…
でもだからって
信じることを止めたら何も出来ない
未来は信じて切り開くものなのよ」


「……はっ……
裏切られた事がないから
そんなこと言えるんだ」


「ないよ。裏切られた事は。」

「ほらみろ…」


「じゃあ私を信じて!
宝物は絶対あるものっ
それに、宝物は私1人じゃ
見つけられないの」

リースの瞳に曇りはない



「じゃあ………ついていくだけだ」


「ありがとうラリー!!」


あんなに拒んでいたラリー…
リースの強い押しと瞳に負けたのか…


それはこの場にいた
ラリーだけが知る、彼女の魅力だろう。





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