こんな私でも愛されますか
週明けには、エロ漫画の原稿を入稿しなくてはならない私は、またデスクに向かい、ネームを切り始める。

あと五日しかないのに、ネームを切っている時点で終わってるとは思う。

下描きからやってしまったほうが早いことは分かっているが失敗したときのリスクが怖い。
 

レギュラーアシスタントなんて雇ったら、経費でほとんど飛んで、収入はないに等しい。

それが故に、私は一人でエロ漫画を描く。

こんなときこそ、臨時アシスタント募集するものかもしれない。

(この部屋に誰かをあげるのもね……)

人を呼べる状態の部屋じゃないことだけは寝不足の私の頭でも確信できる。

この際だから理由をもっと挙げることにする。

あと五日しかないのに、臨時アシスタントの募集をかけて、送られてくるサンプルを見て判断して、臨時アシスタントを雇うのは余計に手間がかかるじゃないか。

しかも、私は完全アナログ派なので、デジタルには滅法弱い。

家に呼ばずにすむデジタルアシスタントなんてもってのほかだ。
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