儚き蝶
先輩の隣へ
時間のある限り毎日昼休みと放課後は図書室に通った。
だって先輩がいるから。
いつも同じ席に座って読書か昼寝をしている。
そんな姿を私は読書をしながら盗み見ていた。
本の貸し出しはなるべく先輩がカウンター当番の時にして、少しでも先輩に近づきたかった。
本を渡すときいつも先輩は微笑みかけてくれて、それがすごく嬉しかった。
時々自分ってストーカーみたいだなと思うときもなくはないけど、そこは恋する乙女だからと割り切るようにしていた。
だけどある日突然事件が起こった。
そう、私にとって叫び出したくなるほど嬉しい事件が。