儚き蝶

それから神崎先輩とはよく話すようになった。

昼休みや放課後。

図書室に行くといつも神崎先輩が先に来ていて、私が来るといつも微笑んで手招きするんだ。

そして先輩の向かいの席に座る。

今ではここが私の定位置だ。

そのことに思わず顔が緩むと先輩が、

「どうしたの?何か良いことでもあった?」

なんて聞いてくるから私は、

「別に。何でもないですよ」

とちょっと照れながら言った。

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