儚き蝶
「・・・・・・・・・っ!!」
私は声にならない悲鳴をあげながらベッドから飛び起きた。
全身は汗でびしょ濡れになっている。
荒い呼吸をどうにかしずめようとしながら、寝ている間に流していた涙を袖で拭き取る。
何度この動作を続けるのだろう。
一生この悪夢から逃れられないことを知りつつも、毎度毎度自分に問うてしまう。
窓の外を見ると雨がザーザーと降っている。
まるで今の私の心を表しているかのような天気。
深い溜め息をこぼしながらベッドから降りる。
絶望しか待っていない今日を生きていくために。