儚き蝶
絶望という名の日々
高校に入ってから毎日の日課になっている放課後の図書室へ向かう。
入り口から一番遠い窓側の席。
常連の私と葵先輩の特等席。
晴れてる日は陽が差し込んできて、お昼寝にちょうど良い。
席につき机に伏せながら、無意識のうちに葵先輩との思い出にひたる。
HRが終わって急いで来るといつも葵先輩が既に待っていた。
色白の肌をオレンジ色に染めながら、柔らかい笑顔を浮かべていつも手招きをするんだ。
『今日も早いね』って言いながら。
だから私は頬を膨らませて『葵先輩の方がいつも早いじゃないですか!』って言い返してた。
葵先輩は笑いながら『ごめんごめん』って謝ってくる。
そうしていつも幸せな時間が訪れるんだ。