僕らの恋は儚く散りゆく桜の様で
柚子は、鮮やかに動く筆を止めようとはせず、強い決心を持った様に胸をはる。
「あたしは、いつでも自由だからいいの。今までもそうやって生きてきたの。だから面倒な行事なんかにわざわざ出る必要もないし、況してや、絵を書く時間を削ってまでそんなくだらない行事に出る意味もないの。」
ずいぶん、自由な言葉を吐く女だ。
初めて知り合ったからか、章人は柚子が気になってしょうがなかった。
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