45センチのコイ。
***


「何の本を読んでるのかしら?」

「さ、さあ……」


何してるんだろう……あたしたち。

なんか、こんなことしちゃってもいいのかな……。


「あっ、本買うみたい。
レジに行くわよ」

「あっ、待って夢香っ」


あたしたちがこんなことしてるわけ。

それは数分前のこと――――


「どこ行こっか〜」

「うーん。
ウィンドウショッピング?」


あたしたちは、喫茶店を出てちょうどスクランブル交差点を歩いていた。


「やだー。
どうせなら買いたいよ」


あははと笑いながら歩いていると、前方にあたしたちの学校と同じ制服を着た人を発見した。

今日は早めの帰りだったし、あたしたちみたいに出かけてるんだな〜。


「ねえ、優香」

「ん?。
どうしたの?」


ちょいちょいとあたしの制服の袖を引っ張りながら、夢香は前を見ている。

何か気になるものでも発見したのかな。

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