45センチのコイ。
よし!。

もう一回、頑張ろう。

もしかしたら、奇跡的に本のタイトルが読めるかも……!。


反射がなくなる一瞬の間も逃がさんと、じっと一点だけを見つめる。


……あっ!。
見えた!!。

なになに?……。


「あれって、日本語じゃ……わっ!!」


いきなりのことに驚いて、反射的に商品棚に隠れる。

ビビビビ、ビックリしたーっ。


「優香?。
どうしたの?」


突然のあたしの動きに心配そうな目をした夢香が、こっちを向いた。


「さっき……しがつついたちくんと、目が合っちゃった……」


さっきからじーっと見ていたし、そりゃあ、視線に気づくよね……。

メガネをかけているせいで、余計しがつついたちくんの顔がドアップで見えてしまったため、心臓がビクッと跳ねてしまった。

メガネ、かけてない方が良かったかも。


……レベルが高い夢香が言うだけはある。

あれは相当なイケメンさんだ……。


あんな人があたしの隣の席なんて……。

気はなくても、心臓がドキドキしてしまう。

……体に悪いヤツだ……。
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