45センチのコイ。
ガタガタッと一人の女の子が立ち上がり、そっぽを向いていた人もみんな一斉にその子に注目した。


「花城瑠菜です。
去年は3組でした。
よかったら、仲良くしてください」


瑠菜ちゃんの自己紹介が終わると、クラス中が一気にざわざわし出した。

特に男子。

あたしの隣の男子は普通に拍手していただけだけど……、その男子を除けば、ほぼ全員の男子がざわざわと話をしている。

「かわいい」とか「ぜひ仲良くしたい」とか、そんなワードが教室中を飛び回る。


「みんな静かにー。
次の子がやりにくいでしょ」


先生の一声で、少しずつ静かになっていった。


あたしは……次の次の次の次だ。

だんだんと自分の番が近づくにつれて、緊張の度合いが激しくなる。


「水戸夢香です。
1年の時は、1組でした。
よろしくお願いします」


夢香の自己紹介まで終わっちゃったよぉ〜……。

頑張らないとな……。

何せ、これで第一印象が決まるんだから。

第一印象はできるだけ良い方向にいくようにしたい。


前の人の自己紹介が終わり、パチパチと拍手が少しの間起きる。


よしっ!。

気合いを入れて、椅子から平然に立ち上がる……振りをした。


「百合優香です。
去年は3組でした。
1年間、よろしくお願いします」

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