45センチのコイ。
いつもは意識を失うんだけど、今回はなんとか失わずに済んだ。


最近は耳鳴りと頭痛が同時に起きることなんてなかったのに……。

頭の隅に追いやっていたから忘れてたけど……。

ここは……もしかして――――…………。


「おい」

「ひゃっ!」


再び聞こえた横からの声にビックリした。


「ひゃ、じゃねぇよ」


……なんか、怒ってる?。
声の調子が、怒ってる感じに聞こえるのは気のせい?。


とりあえず、「ごめんなさい」と一言言おうと声の主を見よう顔を上げる。


「……あ」


わ、四月一日くん……。


四月一日くんは、まるで変なものでも見てるかのような目をして、あたしを見下ろしている。


「おまえ、こんなとこで何してんの?」


何、してるって……。

追跡してました、なんて言えるわけないし。


「ていうか、大丈夫なの?」

「へ?」

「急にしゃがみ込んで、頭押さえてたから。
大丈夫なの?」

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