45センチのコイ。
あ、見てたんだ……。

さっきまでのあたしの様子……見てたんだ……。


……変に思われたよね。

頭押さえて、急にしゃがみ込んで……。


「おーい」


急に目の前に、上下する大きな手の平が現れて我に返る。


「本当に大丈夫なの?」

「ご、ごめん……。
大丈夫……」


「大丈夫」って言葉を何回も言ったであろう四月一日くんに謝り、立ち上がる。


「ならいいけど。
急に様子がおかしくなったからビックリした」

「……ご、ごめ」

「で、なんで俺の後をついてきたわけ?」


もう一回謝ろうとすると、四月一日くんは遮ってあたしの痛いところを衝いた。
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