45センチのコイ。
罪悪感から四月一日くんの顔を見れず、目を伏せる。


「前も、後つけてたよね」

「……う、うん……。
始業式の日……」


……こっちも気づかれてたんだ……。

やっぱり、後をつけるなんて悪いこと、するものじゃないな……。


「……そうか」

「うん……、ごめんなさい……」

「……」

「……」


しばらくの沈黙の後、四月一日は踵を返した。


「……探偵ごっことか、趣味悪っ」


彼は、後ろにいるあたしに聞こえるように、少し大きめの声でそれを言うと、歩き始めて行った。


「……!!」


突然言われた嫌味に、口を開けっ放しのあたし。
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