兄さんには腹括ってもらわにゃならんけぇの

「あんた、歳は?」

「15歳です」

くそ、俺より歳下じゃねぇか。

「臣とは格が違うから気にするな」

俺は拗ねてみせる。
本当は泣きたいくらい苦しかったけど、
意地を張って平気な素振りをした。
不毛だって分かってるから。

俺の世界は父さんでできていて、
いつも苦しい。
今だって識に嫉妬してしまっている。
あんなやつに父さんは渡さない。
強い独占欲にかられて、識を睨む。
識は笑顔を俺にむけてくる。

嫌味かよ。
俺の父さんなのに、
父さんが選んだのは識で。



冗談じゃないんじゃけぇのう。
こちとら何年、
片想いしとるっち思っとんじゃあ。
識、敵でなくても潰しちゃる。
覚悟はできとるんじゃろう?
なぁ?




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