私の血を狙わないで。
「光……。今まで黙ってたけど、…光のいう通り、片倉先輩は吸血鬼なんだ。」
「………。」
『やっぱり』と言うように、光は頷いた。
「…そして、私は魔女。」
「……な…何言ってんの…?」
「私は魔女なの。…自分でもビックリしたけどね」
「凛香が…ま…じょ……?」
光は完全に混乱している。
頭を抑えて、考え込んでいた。
私は少し間をおいて、また話し出す。
「この三人だって…吸血鬼なんだよ。」
「え……。」
光は目を丸くして、シンさんたちを見つめた。
「…吸血鬼は、血を吸う生き物。
人間の血はもちろん。
魔女の血は、大好物で……。」
「…凛香…。」
その続きは、聞かなくてもわかると思う。
光は私の背中を撫でると、にっこり微笑んだ。
「……もういいよ。…話してくれて、嬉しかった。」
「光…。」
私の目から、一粒
涙が零れ落ちた。
悲しいんじゃない。
辛いんじゃない。
切なくもない。
感動なんてしてない。
よく分からない感情から生まれた涙。
ただ
今、初めて光と
心が通じ合ったような気がした。