短編
本当の彼の姿
気づけば彼が転校して一ヶ月が経った。
奥山鉄也とは屋上の件以来話していなかった。
でも話すと言っても話しかけにくい。
だってほぼ寝てばかりだし昼休みはすぐいなくなるし
だからといって起こすのは悪いし呼び止めるのも悪いし…
そして放課後
あたしは学級委員の仕事で残っていた。
すると教室のドアが開いた。
「あっ、奥山くん」
「おぅ」
奥山鉄也だった。
「お前なにしてんの?」
「学級委員の仕事」
「ふーん」
「奥山くんは?」
「呼び出し」
きっと授業寝てばっかでいるから呼び出されたんだろうな…
「手伝うか?」
「いいの?」
「ああ」