朱月 蝶は舞う
校舎に入ると、まだ誰も来ている様子ではなかった。
ケイとバイクを駐輪所において、理事長室に向かうことにした。
「てか……理事長室どこ?」
「あれじゃない?あのバカみたいに光ってるドア。」
昇降口から入って廊下のずーっと歩いたところにある、茶色いドア。そこには、『理事長室!勝手に入ったら1カ月俺のパシり』と書いてあった。
「うわーめだつなー」
とりあえずドアを開けてみた。
「うぇーるかー」
───ガチャ
一瞬にしてドアを閉めた。
「「……………学校間違えたね………帰ろ」」
「こらこら、お前たちが通うのはこの学校だから。」
「「……………(ジー)」」
次男悟が、理事長室からでてきた。冷たい目でみてやった。
「とりあえず、入って」
「悟兄、聞いてないよ」
「あれー?龍兄に聞いてない?」
「悟兄がどこぞやの理事長になったのは知ってたけど、ここだったなんて…」
「会いたかったぞ〜ユイ!!」
「グフォッ…」
「あー、やっぱりユイのために作らせた制服だから似合ってるな〜。可愛すぎて離したくなiグハッ!」
「返せばか兄貴。」
「お前のユイじゃねーだろが」
「俺のだし。兄貴は理事長だろ生徒に手をだすなよ。」
「クッ!クソ…こういうときだけ!」
「あー、このココアうまっ」
「ありがとうございます。ユイさん、クッキーはいかがですか?」
「んん、ありがとうマサ」
「「………………いつのまに」」
兄弟ゲンカのゴタゴタにいつも、あたしをいれるから逃げてやった。
そしたら、いつのまにかマサがいて、ココアもらった。
あっ、マサっていうのは悟兄の親友で蝶嵐の元幹部。
あたしが小さいころから、優しくしてくれた。