朱月 蝶は舞う


─…その頃、狽狼では



?「雷輝、姫さん連れて来たぜ」



雷「中々の上玉だな」



狽狼の雷輝。総長で悪評が高くて有名である。




雷「……クククッ、これであいつらの座はいただく」




ユ「ンッ………」



目を冷ますと、頭に激痛がはしってきた。……ここはどこ?



ユ「………ケイ!!ケイがイナイッ」



雷「お目覚めだな、姫さんよぉ」



ユ「ケイ!!ケイッ」



あたしの耳には男の声は聞こえてはいなかった。



雷「うるせぇ!黙れッ」



ユ「………ケイ」



雷「いいか、お前は人質なんだ。大人しくしてろよ………でないと、あいつらが傷つくぞ」



ユ「それは、どうかな?」



雷「は?」



ユ「あなたが、あたしに触ることはできないと思うよ?……ケイが来たらね」







雷「黙れッ」







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