朱月 蝶は舞う


そのあと、私は目隠しをされ、されて大きな段ボールの中に入れられた。


───『ころしてよ…』


─『ざけんな、お前は囮なんだぜ殺すわけねーだろ』


狽狼の総長はこの部屋をでて、下に向かった。



下から聞こえてくるのは、乱闘の声、金属音。


私は一人、罪悪感でいっぱいになっていく。私が捕まらなければ、傷つくことがない、私がみんなをまきこんじやってる、私は何のために強くなったんだろう。


ケイが探してる……


ケイが傷つかないために、今私にできるのは場所を伝えること



───ここにいるよ


──ここだよ



お願い、届いて………


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