朱月 蝶は舞う


 【ケイサイド】



───ここにいるよ


──ここだよ


ユイの声が聞こえる……。場所はどこだ!



まて、冷静になれ、冷静にならないからわからないんだ。


蓮「っくそ!」


ケ「蓮っ、ここは任せていいか!?」


蓮「ああ、」



俺は二階の部屋に向かった。


雷「おい!てめぇだれだ」


ケ「わりぃな、今俺は虫の居どころがわりーんだ………邪魔だドケ……」


──ドスッ


素早くみぞうちをして、片手で蓮の方に投げた。


相手にしている暇なんてない。ユイが……内なるユイが出てきたら、自殺しかねない。それどころか、精神上体が不安定になって、壊れてしまう。



俺は足早に二階の部屋を見て回る。しかし、どこにもユイの姿が見当たらない。


ケ「ユイー!どこだ」



叫んで探す。しかし、声はひとつも聞こえない。



──ゴッ…ゴッ…ゴッ…


ケ「っ!」



1つの段ボールが動いていた。


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