朱月 蝶は舞う










「親父、オレに……アレをくれ」









父「なんだ、いきなり」




蓮「口にだすまえに、行動しろ…ってことだろ?」




父「蓮、やっと大人になったんだな。これは誰に気づかされた?」




蓮「大切なやつ」



父「ふん、お前にも大切なやつができたとはな」



親父はそういいながら、赤いルビーのシンプルなピアスをオレに渡した。



このピアスは昔……俺が欲しいといって親父から貰おうとおもったやつ。小さかったオレは純粋にルビーのピアスがかっこいいとおもっていたから。


でも、親父はあの言葉を呟きそのピアスを隠した。


あのときのオレには、つける覚悟がないってことだった。



あのピアスは




死んだ母さんの片身のピアス



このピアスを右耳につけ、家をでた。


 【蓮サイド終了】


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