朱月 蝶は舞う
「怖がるポイントあった?」
「はぁ!お前族だぞ。フツー驚くだろ?!」
黒髪に紫メッシュか。さっきのバカまるだしの面の……
「アア゙!」
「ユイ、声にでてる…」
「あっ………まぁいいや」
「てか、お前らなんなんだよ。さっきの変な会話!」
「へんな会話?」
茶髪さんも参戦ですか。
「あー、何か主語がない会話のこと?」
「そうそう。……………っ!」
「まぁ、あたしたちは主語なしで話せる。それだけだよ紫メッシュ君。」
「俺は紫メッシュじゃねー!」
「だって名前知らんし…」
「俺は陣野大地だ!覚えとけ女!」
「あんただってあたしの名前覚えてないんだし、覚えなくてもよくね?」
「なっ!…このっ」
───スパッ!!
「大地やめなさい。ユイちゃん、こいつがごめんね」
「いや、べつに。」
そしてあたしは、ある視線を感じた。
それは、ケイも気づいていた。