朱月 蝶は舞う
隣どうしのブランコに座る。
ユ「あのさ、舜斗くんは女嫌いでしょ」
舜「…悪い?」
ユ「いや、べつに?人それぞれだし…でもね、あたしがいいたいことはこれだけだよ。」
舜「なんだよ…」
ユ「あんなに良い仲間もってるんだから、舜斗くんが背負ってる事…話してみなよ。」
舜「!!」
ユ「今まで、誰にもいってないんでしょ?」
舜「……お前になにがわかる!」
ユ「んー、舜斗くんが背負ってるものは知らないけど。……肩になにか傷あるでしょ。」
舜「………なっ!なんでそれ…」
やっぱり気づいてないんだ。さっきのこと。
ユ「さっき、あたしが近づいたときとっさに肩押さえたでしょ。普通は肩なんか押さえないよ。……何かなあとね。」
舜斗くんは少しびっくりした顔であたしをみて、下を向いてしまった。
舜「おれ…家族、母さんしかいなくて。母さんは水商売やってて………薬もやってて…………たくさん殴られた。…そんときに、ナイフで肩…切られた。傷は浅かったけど……心が痛かった………そのあと…母さんの友達とかいう女のひとに殴られたり……襲われた…」
ユ「うん……」
舜「……それから母さんは薬のやりすぎで死んだ。……今は蓮の家に住んでる。蓮の親父さんの世話になってるんだ………」
やっぱり、暗い過去。泣かないで言ってくれた。
あたしは立ち上がり、舜斗の前に立ち舜斗を抱き締めた。
舜「……!!」